アダン Pandanus odoratissimus
タコノキ科(Pandanaceae)
タコノキ属(Pandanus) + 非常に香りの良い(odoratissimus)
タコノキ科はアダンやタコノキを含むタコノキ属とツルアダン属の2種類から構成されている。
アダンは高さ2〜6mに成長する小高木で、この属に特徴的な支柱根を出す。雌雄異株。
国内ではトカラ列島口之島以南の分布とされ、台湾・中国南部・ベトナム・マレーシア・インド南部・スリランカ・モルジブと広い範囲に分布する。
写真1
学名は写真1のような大きな果実が多数球状に集まった集合果が非常に甘い芳香を放つことからきているのではないかと筆者は考えている。
この実はヤシガニが好むとされており、筆者もいつぞやの与那国島でアダンに登るヤシガニを目撃している。
容姿もさながら匂いもまたパイナップルのような植物であるが、パイナップル(パイナップル科)とは目レベルで異なる。
写真2
写真3
今回紹介している写真2および3は8月の沖縄本島で撮影したものであるが、改訂新版 日本の野生植物によれば春から秋にかけて一定せずに開花するらしい。
筆者は奄美大島などの南西諸島に通っているが、まだアダンの花を見たのはこの真夏の沖縄本島だけであるため、一定せずに咲くといえどもピークはあるのだろうと予測している。
雄株は白い総苞の中に大きな肉穂花序をつけ、その構造が幾つにも連なる。
目の前で少し息を吸っただけで花粉が鼻に入ってくるほど花粉が出ており、思わず花粉症になってしまうのではないかと不安になった。
雌花も雄花同様に白い総苞に囲まれるが、インターネットで見る限りその白い範囲は狭く雄花に比べて地味な花をしている。
筆者はまだお目にかかったことがないので見てみたいものである。
参考:
改訂新版 日本の野生植物1
北海道大学 露崎さんのHP
(https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/dct/language-j.html)
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